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townsfolk coffee

石川県金沢市の中心地、香林坊から徒歩で10分ほど。四季の移ろいを感じさせてくれるひろい公園を望む通りにtownsfolks coffeeがあります。東京の名店、そして高い焙煎技術を持つ北欧デンマークでの経験を持つオーナーの鈴木さんが2020年にオープンし、浅煎りコーヒーと北欧のインテリアが印象的なお店です。

金沢にオープンするまでを振り返って、そしてこれからのことについてオーナーの鈴木さんにお伺いしました。

-コーヒーの道に進むきっかけは何だったのでしょうか?

「スペシャルティコーヒーに出会ったのは、大学卒業前後でした。そこで初めて浅煎りのコーヒーに出会って衝撃を受け、それからコーヒーが好きになり東京都内のコーヒーショップを巡るようになりました。そのころはコーヒーが好きではあったのですがコーヒーとは関係しない一般企業で働いていており、5年ほど働いたころ自分の中で沸々と"自分が情熱を持ち続けられることを生業にした"という想いが湧いてきて、さらにちょうどその時にNOZY COFFEEさんがスタッフ募集をしていたので、自分の生業になるのはもしかしたらコーヒーかもしれない、と思い切って応募してみたんです。そのまま採用してくださり、そこからコーヒーの仕事が始まりました。」

NOZY COFFEEは2010年に創業。まだスペシャルティコーヒーが浸透していなかった創業当初からブレンドは置かずシングルオリジンのスペシャルティコーヒーのみを取り扱うという方針で、コーヒー業界の最先端を走っていたショップです。

そこでバリスタとして採用された鈴木さん。抽出や接客をこなし、いつしか三宿店の店長を任されるほどになりました。
ただ、自分のお店を持ちたいという気持ちが強く湧いてきたといいます。

NOZY COFFEEでの仕事は大変貴重な経験でしたし、店長という役割を果たさせてもらってとても感謝していますが、自分のお店を持ちたいという気持ちは強くなりました。タイミンもありNOZY COFFEEでは焙煎の経験をほとんど積むことができなかったので、このまま独立する前に別の場所で違った経験を積もうと考えていました。」

-そこでデンマークとへ渡られたんですよね。ほかのロースターの方でも海外での経験を持つ方がいらっしゃいますが、多くがアメリカ・シアトルやオーストラリアが多く北欧は珍しい気がします。どういった理由でデンマークをお選びになったのでしょうか?

シアトルやオーストラリアにも有名ですばらしいコーヒーショップが多くありますし、多くの方がそこのコーヒーショップのカルチャーに憧れて働くこともありますね。ただ私の中ではコーヒーショップというよりもコーヒーそのもの、もっと言えば焙煎を突き詰めたいという想いがありました。」

世界で高い評価を得ているロースターのほとんどが北欧にあったのでそこで焙煎技術を学びたいと思ったんです。特にデンマークに著名なロースターが集中していたのでデンマークを選びました。とはいえ、どのコーヒーショップで働くかは実際に見て決めたいと思っていたので実際に足を運び、いくつかロースターを見たうえでProlog Coffeeに決めてそこで履歴書をオーナーに直接渡し、採用いただけました。」

-それはすごい!

「ちょうどProlog Coffeeがオープン3年目で拡大し始めたタイミングとうまく嚙み合って働くことができました。最初はバリスタとしてNOZY COFFEEの時同様に店舗で働いていたのですが、その後焙煎士を増やしたいということになり、そこで手を挙げて煎を任せてもらいました。」

-Prolog Coffeeで経験を積み、いざ独立という決心がついたと思うのですが、金沢にオープンというのはどういう理由があったのでしょうか。鈴木さんは川崎出身で金沢に所縁は無いということでしたが。

普通に考えたら東京でオープンすることをまず検討すると思いますが、そのころ東京では多くのロースタリーカフェがオープンしていました。わざわざそこに自分がオープンする理由が見つからなかったので、東京以外の場所でオープンしたいとほかの地方を見ていました。金沢は以前旅行で一度来たことがあり、街の雰囲気がとても気に入ったので候補に挙がりました。加えて、過去訪問した時と比べてスペシャルティコーヒーを扱うお店がほとんど増えておらず、自分がここでお店を開くことでスペシャルティコーヒー文化を根付かせることができるのではないかと思いデンマークにいる時から金沢でオープンすることを決めていました。」

-帰国後すぐに金沢で物件探しをし、2020年7月に"townsfolk coffee"をオープンしました。店名にはどんな想いが込められているのでしょうか。

そこに住む町の人のためのコーヒーショップでありたいという想いから、"住人"や"町の人"などの意味を持つtownsfolkという名前にしました。住む町の人のため、そしてカフェではあるのですが日常的に飲むコーヒーを提供したいのでコーヒー豆の販売を中心に考えていたので、場所は繁華街や観光地ではなくある程度住宅地に近い場所にしたいと思っていました。今の店舗は大通りを1本入った住宅地に面しているほか、目の前が公園になっていて開けており雰囲気がとても良いのと、近くに住んでいる人が使いやすい場所にあると思ったので物件を見てすぐにここに決めました。」

townsfolk coffeeの目の前にある玉川公園は広く、テイクアウトでコーヒーを飲みながら公園を散歩したり、また公園に隣接して小学校と図書館があり親子連れに利用されることも多い場所です。まさに住む人のための一角として愛されています。

-Prolog Coffeeでの経験を生かして焙煎をされていらっしゃると思います。実際にどのようなコーヒーを目指しておられますか?

「デンマークで主流の浅煎りを専門に焙煎しています。ただ、浅煎りでもフレーバーや強い個性を出すようなコーヒーではなく、毎日飲んでも疲れない、何も考えずに飲んでおいしいと思ってもらえるようなコーヒーを目指して焙煎しています。店舗で提供するコーヒーも家庭で飲んでもらえるように複雑な器具やレシピは使っておらず、ふらりと立ち寄って気分でコーヒーを選んでもらって、それで口にして美味しいと思える。そんな体験が提供できればと思っています。」

東京とデンマークで経験を積み、浅煎り専門のお店と聞くと少し敷居が高く感じてしまうかもしれませんが、お店の名前が示す通り"そこに住む人"のためのお店がコンセプトです。コーヒー好きでこだわりがある方だけではなく、コーヒーに強いこだわりが無い方でも散歩の途中に立ち寄る気軽さで来店してほしいと鈴木さんは語ります。

最後に、今後について伺いました。

「今後はもっとtownsfolk coffeeを拡大させたいなとは思っています。店舗を増やすかもしれませんが、金沢になるのかはたまた東京になるのかはまだわかりませんね。それでも、もっと自分のコーヒーを知ってもらう機会を増やしていきたいと思います。」


コーヒーの焙煎を突き詰めたいという想いを強く感じました。インタビューを行ったのは2024年1月、ちょうど能登半島地震が発生した後です。金沢市内は大きな影響は無く、通常通りお店も営業されています。金沢の住民に寄り添いながら営んでいるコーヒーショップですが、県外の方もぜひ金沢に訪れた際は覗いてみてほしいと思います。



【店舗情報】
townsfolk coffee【タウンズフォーク コーヒー】

住所:石川県金沢市高岡町22−18
営業時間: 9:00-18:00
定休日:不定休
席数:12席
駐車場:なし
価格:コーヒー1杯600円~
アクセス:金沢駅よりバス「南町・尾山神社」下車で10分
公式サイト:https://townsfolkcoffee.shop/
instagram:https://instagram.com/townsfolkcoffee/

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